俺の名前はアキラ。
 なんとクシャミして最初に見た物に変身してしまうというちょっと困った体質なのだ。
 なんでも大昔に人間社会に憧れた変わり者の妖と恋に落ちた人間の子孫との事だ。
 その妖は姿形を自由に変える事が出来たらしい。
 先祖返りなのかその能力が中途半端に発現してしまったのだ。
以前は変身すると丸一日元に戻ることが出来なかったため引き籠り気味の生活を送っていた。
 そして隣に座っているのが幼馴染で同棲中のマユリだ。
 この体質のせいで凹んでいた俺を立ち直らせてくれた大切な人だ。
 そして今では特訓のお陰で今では丸一日待たずに自由に元の姿に戻ることが出来るようになった。
 
 彼女もちょっと特殊な能力を持っていて、集中すると人の気配を感じたり心の声を聞くことが出来るというものだ。
 ただし、心を澄まして意識を向ける必要がある。
「もう少ししたらマユリが仕事から帰ってくる時間だな。」
 晩御飯の準備も終わり、テーブルの上に並べ終わる。
 「さて、今日はどうするかなぁ?」
 最近の二人のブームはかくれんぼだ。
 かくれんぼと言っても普通のかくれんぼではない。
 彼女が仕事から帰ってくる前に俺が何かに変身し、それを彼女が見つける。
 ただそれだけなのだが、マユリは気配が分かるのでいつもすぐに見つかってしまっている。
 なんとか気配を消せないかと日々試行錯誤しているところだ。
隠れる場所を探して家の中を見回すとお風呂に目が行った。
 浴室を覗きながら変身するのに手頃な物が無いかと考える。
 身体を洗うスポンジに目が留まった。
 「これだ!」
 俺はコショウを一つまみ台所から取ってくると自分の鼻に振りかけた。
 「ハクョーイ!」
 大きなクシャミが飛び出して俺の身体はスポンジへと変身した。
今の俺はクシャミをして最初に見た物にしか変身できない。
 でも俺の身体自体には変身する力が備わっているのだからいつかはクシャミなんて無くても好きに変身出来ると確信している。
 瞑想などやってみてはいるが今の所まだ効果はない。
「ただいま~」
 玄関のドアが開くと同時に元気な声が聞こえてきた。
 マユリが帰ってきたのだ。
 「暑い~~~!先にシャワー浴びてくる~!!」
 今日は汗だくで気持ち悪いのか、かくれんぼは後回しの様だ。
 帰ってくるなり俺のいるお風呂に向かってやってきた。
気配を消すんだ・・・。
 いや、そもそも気配ってなんだ?
 生体エネルギー的な何かか?
 良く分らないままマイクのミュートをイメージしてみる。
 浴室に裸になったマユリが入ってきた。
 普段なら近づくと気配を察知されるのだが、特に変わった様子もない。
 まだ俺には気づいてはいない様だった。
シャワーから水が流れる。
 彼女の手が俺の横にあるシャンプーのボトルに伸びてきて、ワンプッシュされる。
 これだけ近いのにまだ気づかれていない。
 距離が近い程に気配に敏感になるため、身体に触れられた時に気づかれるかが勝負の山場だ。
 やがて髪を洗い終わるり、マユリの手が俺の方へと延びてきた。
 彼女の手が俺の身体をぎゅむっと掴むのだが、スポンジに変身した俺に気づくことは無かった。
 遂に気配を誤魔化す事に成功したのだった。
俺の身体はお湯で揉まれ、白いボディーソープが掛けられる。
 ギュギュっとされると俺の身体からきめの細かい泡が溢れてくる。
 どうせばれるだろうと思って何も考えてなかったのだが、俺が変身しているのは身体を洗うスポンジである。
 この後どうなるかと言うと当然そうなる。
俺の身体が彼女の身体に押し当てられる。
 まずは腕。
 脇の下。
 そして、おっぱい。
 (うぷぷっぷぷっ)
 柔らかいおっぱいに押し付けられる。
 特におっぱいの谷間とか下乳は汗が溜まりやすいからから女の人は大変ですね。
 俺の身体は彼女の柔らかい肌の上を泡立ちながら何度も往復する。
 上半身が終わると次は下半身だ。
 太ももやふくらはぎをゴシゴシと洗い終わる。
 やがてお待ちかねの股間へと押し付けられた。
 控え目に生えた陰毛と俺の身体が擦れ合い沢山の泡が泡立ち、視界が泡に覆われる。
 (うぉぉぉぉ!)
 興奮でスポンジになりきっていた俺の思考が乱れる。
 「ん?」
 俺を持つ彼女の手が一瞬止まった。
 「・・・な訳ないか。ちょっと気にし過ぎかなぁ。」
危ない。もうちょっとでバレる所だった!!
 さぁ、気にせずに続きを・・・。
 と思ったのだが俺の身体はマユリの手から離れる。
 何事かと思ったら泡立てた指先でデリケートゾーンを洗い始めた。
 (スポンジ使わないのかよ!!)
「へっ!?やっぱりアキラなの!?」
 (しまった、心の声が思いっきり漏れてしまった!)
 マユリがスポンジになった俺をジィ~~~~っと見つめている。
 俺を再び手に取るとスポンジになった俺の身体をニギニギとしてきた。
 マユリさん、笑顔が逆に怖いです。
 俺を握る手に力が入る。
 うん、もう完全にバレてますね。
 「うふふ・・何かエッチなスポンジが紛れ込んでたみたいね。」
 ぎゅぅ~~~~っと彼女の手に力が入る。
 俺の身体は彼女の手のひらの中で小さく握りつぶされたのだった。
今日のかくれんぼも俺の負けに終わってしまった。
 だが、大きな一歩を踏み出せたのは確かだった。
その後も毎日の様に特訓を続けていたところ、ついに自由に変身出来るようになった。
 「やった!ついに自由に変身出来るようになったよ!」
 俺はマユリの目の前で嬉しそうに何度も姿を変える。
 「ん~、ちょっと似てないかも?」
 「イメージだけで変身出来るようになったんだけど、変身の精度が悪いのか・・・。」
 想像だけで絵を描くのと、実物を見ながら絵を描くのの違いかなぁ。
 やっぱり実物見ながらじゃないとダメかぁ。
 いや、逆に言えばしっかりとイメージさえ出来ていれば実物を見なくてもそっくりに変身できると言う事だ。
 これからも頑張ろうっと。
───後日
 そろそろマユリが仕事から帰ってくる時間だ。
 まだ例のかくれんぼは続けている。
 変身精度も上がり心の声の制御も慣れてきたので、かくれんぼの勝率がかなり上がりつつあった。
 マユリはおっとりしているようで見かけによらず負けず嫌いなので、見つけられないのがかなり悔しい様だ。
 彼女も特訓しているのか、日に日に気配に敏感になってきている。
「今日は何に変身するかぁ。」
 家の中を見回していると、尿意を催してきた。
 トイレに入り排泄を澄ますとソレが目についた。
 女性があの日に使うあれだ。
 彼女はタンポン派ではなくナプキン派だ。
 間違って使われてしまった日には血まみれになるのが分かっているので変身はしない様にしていた。
 が先週終わっているのは知っていたので、今日は変身しても大丈夫だろう。
 ・・・そんなふうに思っていた時が自分にもありました。
「こんな風になってたのか。」
 ナプキンを手に取ってじっくりと観察するとそれに変身し、いくつか置いてあったナプキンの奥の方に紛れ込んだのだった。
丁度その時リビングで携帯が鳴っていたが、変身に集中していた俺はそれに気づかなかった。
玄関の鍵を回す音が聞こえる。
 「やっと帰ってきたか。今日はちょっと遅かったな。」
 俺は心の声をミュートして、完全にモノになりきる。
 リビングに人の気配がするのだが、いつもと様子が違っていた。
 「お邪魔しま~す。あら?今日はアキラ君は留守なの?」
 「あー、居ないのかな?(メール見てないのかな?)」
 マユリの姉のキョウコさんが訪ねてきた様だ。
 「それじゃ、マユ、ちょっとおトイレ借りるわね。予定より早く始まっちゃったみたいなの。」
 「籠のやつ使って~」
 会話の後、キョウコさんが俺が隠れているトイレに入ってきた。
 (しまった、戻るタイミングを完全に逃した・・・。キョウコさんが帰るまでやり過ごすしかないか。)
キョウコさんはトイレに入るとスカートをまくり上げた。
 レースの付いた白いショーツが視界に入る。
 パンストとショーツを膝まで下げると便座に座った。
 (兄弟そろってスタイルいいんだよなぁ。おっと、見ちゃダメだ。自重しろ、俺。)
 キョウコさんはシャーーーーーーーっと勢い良く放出すると、トイレットペーパーをクルクルと巻き取って手早くあそこを拭きあげる。
 (女の人のおしっこはスゴイ勢いだよなぁ・・・。)
 俺はナプキン入れの籠の中からのんきに眺めていたのだった。
そんな時、急にキョウコさんの手が俺の隠れている籠の方に伸びてきた。
 キョウコさんは一番手前のナプキンを手に取ろうとしたのだが、ピタリと手が止まったのだった。
 「ん~?コレがいいかな。」
 (はい!?)
 何故か手前からではなく一番奥にいる俺を手にしたのだった。
 マユリと兄弟だけあって何か感じ取ったのかもしれない。
俺の身体はキョウコさんに掴まれて膝の上へと運ばれる。
 慣れた手つきで折りたたまれていた俺の身体を伸ばしていく。
 キョウコさんの視線がずっと俺に向いたままだ。
 マユリと姉妹だけあってとても美人だ。
 やがて俺の身体は膝まで降ろされたショーツの股の部分へと運ばれる。
 俺の身体はされるがままに、股布の部分に粘着テープで固定されてしまった。
 ショーツの布に張り付けられたまま、俺は絶望の表情でキョウコさんの顔を見上げるのだった。
 キョウコさんは立ち上がるとショーツを膝から引き上げる。
 目の前にキョウコさんのアソコが迫ってきたかと思うと、むぎゅっと一気に押し付けられてしまう。
 そしてパンストも引き上げられて俺の身体はキョウコさんの割れ目の前にピッチリと固定されてしまった。
 もう自力では脱出不可能である。
 幸いな事に始まったばかりなのか、まだ血まみれになると言う事はなかった。
 これが生理でなければご褒美で済んだのだが、さすがに血まみれは勘弁だ。
キョウコさんはトイレから出るとマユリの座っているダイニングの椅子に腰を掛ける。
 上からずっしりと圧力がかかってきて俺の身体を押しつぶしてくる。
 目の前にはキョウコさんの割れ目があり、上から容赦なく伸し掛かってきているのだ。
このままではまもなく俺の身体は血まみれになってしまう。
 どうする・・・。
 マユリに助けを求めるか・・・。
 しや、しかし姉の生理用品になって装着されてるとか絶対にバレたくない。
 しばらく俺の葛藤が続くのだった。
「アキラ君、まだ帰ってこないわね。顔を見たら帰ろうかと思ったのだけど。」
 そう言って椅子から腰を浮かした時だった。
 遂にその時が来てしまった。
 鉄臭い臭いがしたかと思うと、目の前のビラビラの間からドロっとした経血が溢れ出てきてしまった。
 (うわぁぁぁぁぁ!!)
 俺の身体がキョウコさんの経血を受け止め、無情にも吸い込んで吸収していく。
 昔から血が苦手なのもあり、思わず心の声を大にして外に漏らしてしまっていた。
 「アキラ・・・?」
 外の様子は見えないのだが、マユリが俺の名前を呼んだのが聞こえた気がする。
 「お姉ちゃん、ちょっと立ってみてくれない?」
 「どうしたの?急に?」
 「いいからいいから。」
 マユリはキョウコさんを立たせるとその周りをグルグルと回り始める。
 心の声のする方向を探って、俺の位置を把握したようだった。
「アキラは今日は帰ってこれそうに無いみたいだし、お姉ちゃんうちに泊まっていったら?」
 「う~ん、でも始まっちゃったばっかりだから今日は止めておくわ。また今度お邪魔するわ。」
 マユリはキョウコを何とか引き留めようとしたのだが最終的には諦めてしまった。
 「アキラ・・・頑張って帰ってきてね。」
 マユリはそう言って帰っていくキョウコのお尻を眺めながら呟くのだった。
───深夜
 俺は何とか家に帰ってくることが出来た。
 あの後キョウコさんのマンションまで一緒に連れていかれ、やっと解放されたかと思うとクルクルと巻かれてトイレの汚物入れにポイだ。
 彼女が寝静まるのを待ってようやく脱出してきたのだった。
 「うぅ・・・ひどい目に合った。」
 家に戻るとまだ家の明かりがついていてマユリが待っていたのだった。
 「あら、お帰りなさい。こんな時間まで血まみれでどこを出歩いていたのかしら?」
 マユリの視線が非常に冷たかった。
あの血まみれ事件から2週間程が過ぎた頃だ。
 そろそろマユリの生理も始まるはずで、いつもならピリピリして機嫌が悪くなるのだが今回は何故か様子が違った。
 まるで生理が来るのを待っているかの様だった。
 ・・・いや、実際に彼女は生理を待っていたのだ!
「ねぇ、アキラ~♪ アキラはナプキン派?それともタンポン派?」
 手にナプキンとタンポンを持って俺に意味の分からない質問をしてくる。
 「はぁ?俺が使う訳ないじゃん!?」
 「いいからどっち?」
 「うん・・・タンポンかな?」
 俺はタンポンを指さして答えた。
 「それじゃ変身して!」
 「はぁ?何で!?」
 「お姉ちゃんは良くて、私はダメな訳?」
 「いや、あれは事故だったんだって・・・。」
 マユリの有無を言わさぬ圧が凄い。
「わかった!わかったから!」
 俺は諦めると、差し出されたタンポンを見ながら変身したのだった。
 変身した俺を握りしめると、マユリは嬉しそうにトイレへと向かったのだった。
 マユリは便座に腰をかけると、ショーツを降ろし指であそこを押し広げる。
 不慣れな手つきで変身した俺が入っているアプリケーター(プラスチックのカバー)部分を自分の中へと差し込んで行く。
 動きが止まったかと思うと次は俺を残したままアプリケーターが引き抜かれていく。
 今まで俺の周りを囲っていたプラスチックの壁が取り除かれ、彼女の柔らかい膣壁に優しく包まれる。
 紐の部分だけマユリの外側に出ている状態だ。
 「これでいいのかな?」
 (俺に聞かれても分かんないよ!)
 「それじゃしっかり頑張ってね♪」
 そう言うと、マユリはショーツを引き上げた。
血管を血液の流れる音がザーッと聞こえる。
 マユリの中は暖かくて柔らかく包み込んでくる様で落ち着く。
 これが生理中じゃなかったらな!!
 (うわっ、血がっ!血がいっぱい!!)
 血が苦手な俺は変身したままいつの間にか気絶していた様だ。
 数時間後、彼女の下腹部から引っ張り出された血まみれの俺は浴室で泣きながら身体を洗うのだった。
 出来るだけ彼女は怒らせない様にしようと俺は心に誓ったのだった。
