きのこの里

きのこの里3

「ねえ、たくん。山田さんちのお爺さんが山仕事中に熊に襲われたって!」「マジで!?おちおち山で仕事もしてられないな。」俺は結婚して彼女の山奥の実家でキノコ農園をやっている。山に並べた原木でも栽培しているためしょっちゅう山に入るのだ。何か熊避け…

きのこの里2

「おっ、やった!培養成功したっぽい!?」フラスコの中に菌糸が広がっている。彼女の実家の裏山で採取してきた例の幻のキノコだ。中毒性があるくらい美味しい幻のキノコである。実際に中毒性があるのかもしれない。ただでさえ幻と言われるキノコなのにさらに…

きのこの里1

「本当に田舎だからびっくりしないでよね。」「田舎暮らしに憧れてたからちょっと楽しみだわ。」俺はプロポーズを受け入れてくれた彼女の実家へと挨拶に向かっていた。山の麓にある小さな町。更にそこから曲がりくねった細い山道をひたすら進んで30分程経っ…